劇作家・演出家 本谷有希子さんからのご紹介。
古い枠に囚われない新しいスタイルの短歌で話題を集める
歌人の穂村弘さんです。
以前、ゲストとして詩人の谷川俊太郎さんに
お話を伺う機会はありましたが、歌人の方は初めて。
いつになく緊張しながら、インタビュー場所に向かいます。
( レトロな雰囲気のブックカフェ ↓ )

穂村さんの短歌を、沢山読ませて頂きました。
とても現代的で斬新です。
人とは少し違った視点で世界を切りとり、
不思議な表現の歌だけど 「何だか共感できる・・」
そんな印象です。
『 世間とズレてる人は、普通の生活をしていても
微妙な無理が常にあるから、いつも変なネジを巻かれ続けるんですよ。
そして、その巻かれたネジは、奇妙な発想や発言となったり、
絵筆を動かしたり、僕の場合はペンが動くんです・・ 』 (穂村さん)
チューニングがずれているからこそ、の 普通じゃない視点。
更に、俳句(5、7、5)ではなく、なぜ 短歌(5、7、5、7、7) だったのでしょうか?
『 最後の⑦⑦の所に、魂がのる感じですね。
俳句では そこが無い分、己を捨てなければならないけど、
⑦⑦に、自分を慰めたり肯定する機能があるような気がします。』 (穂村さん)

そんな穂村さんにとって「本」は、特別な存在だったようです。
若かりし頃、苦しくてどうしようもない閉塞感に潰されそうになっていたとき。
穂村さんは、その救いを友人や家族に求めるのではなく、
世界中にある、膨大な書物の中に求めました。
「自分を覆っている苦しい状況が 一気に楽になる答えが本の中に・・」
ワラをも掴む思いで、必死で書物をむさぼる様に読み漁ったそうです。
様々なジャンルを試す中で、ついには少女漫画の世界にまで。
そして、初めて手にした少女漫画。
『 かなり衝撃的。 夢中でページが進んでいく感じでした。』 と、
今回紹介して頂いた本が こちら。
【 綿の国星 】(全1巻~4巻) 大島弓子 著

「綿の国星」は、昭和53年から、少女漫画雑誌に連載され、
大人の男性が少女漫画を読むきっかけになったと言われている作品。
美しい絵と、著者大島さんのポエムのような台詞、
そして独特の世界観が、読む人を一気に物語に引き込ませます。
「いつか人間になれる」 と信じているチビ猫が、
世の中のあらゆる洗礼を受けながら、日々成長してゆく姿が描かれています。
そのチビ猫の懸命な姿に、
私達は幼い頃の 純粋無垢な自分を重ね合わせ
「生と死」 「自分の存在」 「人を愛するとは」 ・・・
改めて、深く考えさせられます。
現実って こんなに厳しくて、上手くいかなくて。
でも、地獄をくぐった後は、必ず底から浮上して救われる。
今、深い悩みに沈んでしまっている人も、
「もしかしたら、自分もここから抜け出せるかも・・」
そんな気持ちにさせてくれるのかもしれません。

『 大島弓子がいたから、生きていけた。』
彼女の存在自体に助けられたという 穂村さん。
何かでつまずいてしまっている若い人たちに
是非 手にとって欲しいと言います。
きっと 人生の大切な何かに出会えるはずです。
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